隊長 2018-10-24 21:35:56 |
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(翌朝、結局深夜まで資料室に籠り本部の一室で朝を迎える。時間をかけた割に大した進展はない。相手の詐欺や窃盗の犯罪歴は多々ある。しかし彼の周りで起こる不審死については未だ不明瞭。殺人犯だと断定さえできれば此方も特殊部隊として存分に動けるのに、と歯がゆさをさますように淹れたてのコーヒーを口にして。
_さて、相手のことに専念したいところだが生憎そればかりに構ってはいられない。別の凶悪犯の情報も出ておりその資料に目を通す。【40代男性、リストラが原因で離婚し10代のころ手を出していた薬物を再服薬。薬物依存で女を暴行した後殺害、再犯数5】よく見れば被害者の女にまで薬を強要しているようで、文面だけ見ても不快になる。そして最後の行、“特殊凶悪犯に該当、殲滅許可”。要は殺しても構わないと。_全くどっちが凶悪なのかわかったものじゃないが隊務を疎かにするつもりはない。文面通り滅するまで。資料に目を通していけば薬物の売買が行われる場所はライブハウスの地下にあるクラブとある。しかも真っ昼間から開店しているようで。潜入捜査がベタだが流石にこの格好では悪目立ちしすぎるため、必要な警具だけ私服の下に所持すると5つ歳上だが一番気の知れた部下をつれて目的地へ向かうことにする。
(諸々の準備を済ませ本部ロビーまでくると、何やら事務員の女たちの黄色い声が耳に入る。普段なら素通りするところだが『すごく紳士なイケメンと気持ちよく呑めた』と。ご丁寧に容姿を事細かく絶賛し『こっそり寝顔撮っちゃった』と隣の事務員にスマホを見せつけ自慢しており。その容姿があまりにも昨日見た相手を合致していてまさかと、事務員に近づき写真を見せるよう要求する。事務員はこちらが私服だったからか、はたまた絶対乗ってこないような話題に首を突っ込んだからか、はじめキョトンとしていたが慌ててスマホを差し出してきて。_当たり。まさしく昨日取り逃した窃盗犯。あたふたする事務員にスマホを返しながら昨夜会った場所などを聞くと、また今度当たってみようと。
自分のことをペラペラ話されているとは露知らず、先の隊務に集中するよう気を引き締め、遅れてやっていた部下とともに目的地へと足を運び)
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