隊長 2018-10-24 21:35:56 |
|
通報 |
(この状況においても焦りの色を見せない相手はさすがと言うべきか。得意の話術で兄に声をかける様に焦燥が和らぎ迷いもなくなる。しかし兄は恐らく相手の思う以上に愚かで浅はかな人間。この後の兄の発言が予想でき視線を横に流して。
『はっ、手柄は俺のものでも、責任は下っ端が取るもんだろ。何が起ころうとしったことはないな。なあ、航。』
(権力を振りかざした滅茶苦茶な言い分は昔から変わらない。責任のなすりつけは兄の常套手段。頼むから相手の前で恥ずかしい発言はやめて頂きたいがそれに従い続けている自分も大概愚かだ。最高長官である父は兄の絶対的味方、周囲の部下達も不満があっても逆らうことはしないだろう。兄の呼びかけには答えず逸していた視線を戻しては前を見据えたまま口を開き
あの人のことはどうでもいい。やり方も気に入らないが俺のすることは決まってる。
お前ならこの状況でも逃げられるんだろ?…どう切り抜けるか、見せてくれよ。
(相手を背後に相手にしか聞こえない声量で述べる声色はほんの僅かに、本人でも気付かない程度だがどこか弾んでいるようにも聞こえた。自分の立場は弁えている。すべきことも決まっている。目の前の兄の一声で愚直な部下達はこちらに向かってくるだろう。微かに波打つ鼓動を抑え相手の出方を伺って。
| トピック検索 |