常連さん 2018-10-20 22:37:19 |
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私は皆に祝福をされながら生まれたの。
それはもう盛大に。
私が生まれるまでは、農家に嫁いだお母さんはかなり苦労をしたみたい。
妊娠しても畑仕事や田んぼ仕事をやらされて、朝の早くから家族の世話までしてたんだって。
日の出と共に起きて家族の御飯支度。それが終わったら掃除に洗濯をして畑仕事。
つわりで苦しんでいても
「それくらい皆やってるんだ、甘えるな」と怒られ仕事続行。
妊娠後期になると疲れや眠気も溜まってきて、夕方ウトウトすると
「このなまくら嫁が!」と怒鳴られる。
挙げ句の果てに、生まれてくるのは男の子だと思い込んで、「女なんか生まれたら川に捨ててやる」とまで言われたそうよ。
農家だから跡取り息子が欲しかったのは分かるけど、そこまで言う事は無いよね?
でも実際に生まれたのは女の子の私だったんだけど、捨てられなくってラッキーだったよね。
そんなこんなで臨月を迎えて、生まれてくる日を楽しみにしていたらしいのよ。
でも、予定日を過ぎても中々生まれてこなくって、これは働きが悪いから何時までも腹の中に入ってるんだと扱き使われたらしいの。
朝ご飯の支度から始まって家中の大掃除。重い買い物袋を持たされ片道15分のスーパーまでの買い物。
そのかいあってか、その日の夕方に産気づいて入院。超安産のスピード出産。
「おんぎゃ~」
生まれた瞬間「ゴーン」と言う最後の鐘が鳴って、皆がこう言うの
「おめでとう~」って。
そう、私が生まれた日。
それは1月1日(元旦)だったのよ。
日本中の皆が私の誕生を祝ってくれる。
それが私の誕生日。
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