執事長 2018-10-04 22:19:25 |
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>テオ
(一人と一羽と過ごした食堂から数日後。空腹を感じれば部屋の外には出るも、多少他の部屋に興味は出ても真っ直ぐ帰路につく日々を過ごす。特別変わった事と言えば、無意識の内にホームシックか、これから先への不安をより強く感じたか、または夢見でも悪かったのか、あるいはその全てか。理由は自分自身も分からないが、何故か朝起きた際に涙を流していた日があったくらいだろうか。今日も特別やる事も無くベットの上で寝転がり時を過ごしていれば、突如響く鈍い音。思わず条件反射の如くビクッと肩を震わすも、名乗りを上げる事無く用件のみ伝えるそのマイペースさと、聞き覚えがある声が鼓膜に届いては「っ!……って、その声はテオ?それに庭園って……あぁ、約束覚えててくれたんだ!」と、先日交わした約束を思いだし合点が行き。やや寝癖のついた髪もそのままに、外の景色を、相手が楽しげに語っていた庭園が漸く見れるのだと嬉しそうに声を弾ませ。ベッドから下り靴を履いては、タタッと駆け足で扉に駆け寄りドアノブを開こうと手に掛けるも、不意に動きを止め「あっ……そ、の前に確認。今日は約束を果たしに来てくれただけで、私を食べに来た訳じゃないんだよね……?」一人きりで過ごす時間は退屈であり、おしゃべり出来る相手の来訪を思わず手放しで喜んでしまったが、忘れてはいけない。相手は人間では無く、人を食らうバケモノである事を。最初の出会いではノック後そのまま扉を開けてきた時と比べれば、部屋の外で待機してくれている姿は十二分に紳士的ではあるが、念の為確認を。相手の力であれば一枚の扉を壊すなど造作も無いであろう事は明白ではあるが、その返答を聞き、yesであれば此方から扉を開け相手を出迎えるだろう)
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