執事長 2018-10-04 22:19:25 |
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>レベッカ
使い魔は主の命令に絶対逆らえないからねえ。君に食事を作ったのが嫌々だったとしても、その後に使い魔に懐かれるなんて滅多にある事じゃないさ(謙遜は貴女の癖なのだろうか。賛辞を贈るも直ぐに相手へとそれを転嫁する貴女に、困ったように少しだけ眉を下げて微笑んで。使い魔はその名の通り主に仕えることで生を受ける存在。テオが命じたことに従うのは当然だが、貴女さえ居なければそもそも面倒な命令を下されずに済んだ筈。なのに、厄介事の種とも言える人間の貴女に懐くということは、偏に貴女の人柄の成せた業だろう。「テオや俺みたいに、のんびりした怪物は珍しいんだよ。ノックをコンコン、扉を開けばガブリ。そんなことだって日常茶飯事なんだ」餌として連れて来られた人間のことを何一つ慮らない怪物も少なくはない。怯えていようが拒絶しようが、人知を超えた圧倒的な力で抑えつけ、本能のままに人の血肉を貪るのが“心無い”怪物。貴女を怖がらせるつもりは無いが、忠告代わりに残酷な現実を教えておこう。――自分のような怪物を、すんなりと自室へ招き入れてしまう、無謀にな貴女に。「そうかあ、確かに複雑だよね」捕食者と獲物という関係性、それも獲物側である貴女からしてみれば、仲良しだなんてお気楽な言葉では片づけられないだろう。そこまで配慮が至らなかった自身の怪物脳に、謝意を含めた苦々しい笑みを浮かべて。「…なら、もう一つ質問を付け足していいかな。レベッカ、君はもう一度、テオに会いたいと思う?」質問の趣向を変えよう。貴女にとって複雑な存在のテオ、それは良くも悪くも貴女の心に最も影響を与える怪物。捕食されたくはないからと彼を忌避するのか、それともその逆なのか。死神の好奇心に、貴女は応えてくれるだろうか)
>ベル
形見――、(怪物の、引いては悪魔の感覚では、それを特別重要な物とは思えない。だが、人間の価値観で見れば、それは掛け替えのないとても大切な物。それが理解できているからこそ、噛み締めるように呟いて。「ただの散歩と引き換えに出来るなんて、君には未練っちゅうモンが無いんかな」そんなに大事な物を悪魔との散歩の取引材料に挙げて置きながら、苦渋の決断の様子はなく剰え笑顔を見せる貴女に肩を竦めて見せる。人間の価値観を揺さぶるべく、態と意地悪に紡いだ言葉は、貴女の心の琴線に触れるか否か。「悪魔には、価値無いなぁ。けど、君にとっては大事なモンなんやろ?…後悔せえへんって誓えるなら、取引は成立やね」腰掛けていた脚を伸ばしてそっと立ち上がりながら、指輪を見せつけるように掲げる貴女の顔を見てゆるりと薄く笑う。貴女の言う通り、情や義など、その類は悪魔の心には響かない。だが、自分の価値観にばかり重きを置いていては、いつまで経っても取引など成立する筈もない。悪魔は約束は破るが、取引に関してはシビアな程に誠実だ。形見の指輪は、悪魔の眼鏡に適った。これが貴女にとって不足のない取引ならば、今ここに一つの誓いが結ばれる。そっと手を差し出して、貴女の選択を待って)
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