執事長 2018-10-04 22:19:25 |
通報 |
>レナード
( 交わる紅は一切の乱れも見せず常に微動だにしない。対して此方は、次に来る返答次第によっては其の翡翠を揺らす事になるだろうか。ふと彼が再びソファへと腰を下ろした事で一度視線が離れ、軈て告げられた言葉の羅列達に矢張り双眸を僅かに瞠る。此方に発言をさせまいとしているのか、彼の口は閉じる事なく断続して静謐な部屋に響く惨い事実に、理解したくないと思いつつも逃れる事は出来ないだろう、と諦観が生まれる。結局窓から飛び降りなかった所で、十七で死を迎えるのは必然だったと言うことだ。吸血鬼だという根拠になる白い牙を見遣れば、黒いワンピースの裾を翻し彼の眼前へと。「そう。私は貴方たちの餌で、貴方はヴァンパイヤ。なんで外に出ちゃいけないかっていうと、バケモノが彷徨いてるから。」自分を言い聞かせるように、又は整理する様に一語一句じっくりと舌に乗せる。自信が餌ならば、きっと彼は己の血液を摂取するのだろう、そう見込んでは悪戯めいた笑みを浮かべ。 )
…私の血、美味しくなかったらごめんなさい。それでも我慢して飲んでくれたら私も嬉しいわ。…なんてね。
トピック検索 |