執事長 2018-10-04 22:19:25 |
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>レナード
( 徐に窓へと向けられた指と、眉間に皺が刻まれた面持ち。投げ遣りに綴られた冷酷な発言は夢ではない事に信憑性を持たせる効果があった様で、ちらりと窓辺を一瞥する。本当に飛び降りて仕舞おうか、そんな危険な思考が生まれたのも束の間、こんな所で短い人生に終止符を打とうだなんて余りに馬鹿馬鹿し過ぎると踏み止まり。代わりに自らの頬を少し引っ張ってみると、当然の様に痛みは存在する。序に腕の痣たちを柔く押しては、これも同様に痛みが在る事を理解し。どうやら彼の言葉を信じる方が賢明なようで。となれば、この現状を把握し、頼れる人物となるのは眼前の男しか居ない。ギィ、と椅子から立ち上がり背を向ける姿を目視すると、慌ててすぐ傍らまで駆け寄る。流石に右も左も分からない状態で此処に置いていかれるのは些か不安というもので、少しの逡巡の後控えめに懇願を。 )
分かった。信じるわ。信じるから、独りにはしないで。
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