執事長 2018-10-04 22:19:25 |
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>マリーシュカ
マリーシュカ…。
(人間である自分をここまで思いやってくれるヴァンパイアはきっと彼女くらいしか居ないだろう。もしかしたら、人間界においても居ないかもしれない。捕食者とその食事という関係性と、異端な場所との相互作用のようなものでそう感じるだけという事もあるだろうが、今の自分からすれば彼女のその思いだけでもかなりの救いをもたらす。しかし此方を傷付けない、更には食べる事はしないと断言した彼女に多少なりとも驚いて。元々自分は食べられる為に連れて来られた、ただの食事。最終的にこの屋敷でその食事としての役割を全うするのだと思っていた。それは今でも。ヴァンパイアである彼女がそう言い切ってくれたのは良い意味で予想外であり。証明など無くとも、あの日特別だと言ってくれたのは紛れもない事実であると、今も身に付けているブレスレットが物語っている。だが言葉にして改めて聞くと、彼女の決意のようなものも見えてくる。それに安堵したからなのか自分の視界が徐々に濡れていくのが分かり、瞬きをすれば一筋、粒の大きな雫を頬に伝わせ「─…ありがとう。その言葉、とても嬉しい」彼女の手を両手で包むように取ってまた笑みを浮かべて)
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