執事長 2018-10-04 22:19:25 |
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>ドロシー
どうして――…、(矢張り、視線の主は貴女だった。平静を装っているであろう貴女の口調が、余計に胸騒ぎを加速させる。何故、どうして貴女が此処に?自ら考えても答えの出ない問いに頭脳は混乱し、そして貴女が此方へ歩み寄って来たことも予想外で、思わず先程まで捕食していた少女に視線を落とす。自分の傍らに横たわる、既に事切れた美しい少女。ぼんやりと開かれたままの緑色の瞳、二度と視線が合致することのない生気を失ったそれをじっと見つめた後、少女の瞼に指先を添えてそっと目を閉じさせて。そして、再び貴女へと目線を戻す。きっと恐れているだろう、嫌悪しているだろう――でも、この行いを悔いることも、否定することも出来ない。何故ならこれは、己にとって別段珍しい事でもない、ただの食事なのだから。けれど、貴女の目にはそう映らないだろう。悍ましい、怪物の光景が、貴女の深みのある紫の瞳に映っているのだろうか。「…見ない方がいいわ」貴女と同じ年頃の少女、その亡骸見せてしまうのはあまりに残酷で。ぽつり、呟くように言えば、サテン生地のシーツを掴み、そっと少女の躯を覆い隠すように被せて)
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