執事長 2018-10-04 22:19:25 |
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>レベッカ
(いくら体温を分け与えてもらおうとも、冷たい心臓は脈打つことはなく、従って自分の身体が熱を持つことはない。否、だからこそ、こうして束の間でも温もりを感じさせてくれる、貴女の優しい手を放したくないと思ったのだろう。ふと伝えられた迷信、それには思わずまた小さな笑いが零れた。「あはは、あべこべじゃないか。俺には、君の心が冷たいとは思えないなあ」それは人間界に流布する迷信、ならば死神である己には適用されない、という無意識の前提の下、貴女に返答を。そしてふと、貴女の生い立ちに淡い興味が湧く。貴女のような人間はとても珍しい、その人格はどう形成されたのか。――貴女の中には、どんなに素晴らしい記憶があるのか。「…ねえ、教えて欲しいんだ。君の心が、どうしてそんなに暖かくなったのか。君のことをもっと聞かせて欲しいな。…入っても、いい?」貴女の手を握る力を、きゅう、と少しばかり強める。まるで貴女を求めるかのように瞳を覗き込み、柔らかい口調でお願いを重ねて。まるで、先程貴女に質問責めをされたお返しとばかりに、視線を貴女の部屋の扉に移せば、ゆるりと微笑んで小首を傾げて)
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