執事長 2018-10-04 22:19:25 |
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>ジェイド
ジェイドも昨日から?僕たちいきとーごーしてるね!(ピッタリとかち合った瞳から彼の魂胆は何となく予想出来る。だから敢えて恥ずることなく、悪戯に笑いながら“昨日から?”と問い掛けを。早速教えてもらったばかりの言葉をお披露目しては、こんなやり取りが楽しくて仕方ないとばかりに、ケラケラと肩を揺らし。少しばかりは褒めてくれるかな、とそんな打算も働いて絵を見せはしたものの、まさかこんなにも惜しみない称賛が貰えるとは夢にも思っていなかった。褒め倒させるのには慣れていない。途端気恥ずかしくなり、薄っすら丸い頬を紅潮させては、意味もなく毛先を弄り。「そ、それ程でもないよっ。それに…僕にとってもジェイドがモデルをしてくれるなんて一生の宝物さ」スケッチブックに描かれた花の輪郭を辿るように指先を滑らせると、指の腹にざらついた感触が伝わる。ここにまた一つ、大切なものが加わる。彼の姿が絵となり、自分と共に居てくれるのだと思えば、己こそが言葉を重ね礼を言わねばならぬ立場なのだ。何となく照れてしまい、これ以上会話を続けては今以上に頬に熱を溜め込んでしまう。「さ!僕の絵のことはもういいから、デッサンに取り掛かるよ!ジェイドも準備はいい?」程の良い逃げ道として、本日の目的を告げては、急ぐ必要もないのに行動だけはワタワタと慌しく絵を描く準備を始め。ただ、見え隠れする耳までもが紅くなっている事から、照れ隠しである事は隠せていないかな、と心の隅で思い。忠告された言葉はそれはそれは痛いと噂される虫歯。反射的に両手で頬を抑え、ひぃ、と怯えたような声が漏れる。「は、歯磨きするよ!虫歯になんてなってたまるもんか!歯磨きちゃんとしたら、虫歯にはならないよね?ね?」彼の真剣な顔がより現実味を添えるからこそ、素直に頷き忠告を受け入れる。甘い誘惑には罠がある、こんなお菓子にまでこの常套句はついてくるのか、と少し恨めしく、ジトッとした目で包みを見てしまったのはご愛嬌。「へへ、頼りにしてよね!今、困ってる事とかない?大丈夫?」何でも言ってよ、と輝く瞳を注ぎながら、トンと小さな拳を胸にあて。差し出された拳にきっとこれが正解かな?と、己も握った拳をコツリと打つける。“相棒”、なんて素敵な響きなんだ。昨日よりも今日、今日よりも未来は更に彼と仲良くなれているのではないか。そんな不確かだが、胸に去来する温かさや希望は本物で、彼と共に過ごせる一日一日が既に宝物のようだ)
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