執事長 2018-10-04 22:19:25 |
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>ドロシー
……そう、それが貴女の望みなのね(くっつけていた額をそっと話しつつ、貴女が教えてくれた望みを胸に刻み付けながら目を伏せる。口元には穏やかな笑み。貴女が“帰りたい”と言わなかったことを少しだけ意外に思うけれど、それ以上に顔を覗かせるのは喜びの方が大きくて。捕食されかねない悍ましいバケモノと、ただ他愛もない時を過ごしながら一緒にいたいだなんて。涙を浮かべた貴女を、奇特だ、我儘だなんて、一体誰が罵れるだろう。「ああ、泣かないで…」言い終えるが早いか、ふわり貴女を抱き締める。片方の腕は貴女の肩へ、もう片方は後頭部へと添えて、此方へ抱き寄せるようにしっかりと。「…泣いてる貴女も綺麗だけれど、やっぱり笑っている方が素敵よ」ぽん、ぽんと優しく髪を撫でながら、耳元で静かに言葉を紡ぐ。まだ出会って日は浅いが、色々な貴女を見てきた。驚いた顔、怯える顔、泣いている顔、喜んでいる顔――その全てが愛しいけれど、ずっと見ていたい表情は矢張りたった一つ。「ドロシーが望むなら、私は貴女から離れたりしない。このブレスレットに誓うわ。…ね?」“離れない”と誓う言葉を体現するように、貴女を抱き締める腕は解かないまま、けれどお互いの顔がはっきりと見える程度に少しだけ距離を空けて。ふんわりと小首を傾げて、にこり、と微笑んだ表情に裏表はなくて)
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