執事長 2018-10-04 22:19:25 |
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>ドロシー
…うふふ、本当に素直で可愛いのね。有難う、ドロシー(自身の容姿を褒められることには慣れていて、今更態々謙遜することもなく貴女の称賛を受け入れつつ、己の冷たい額を貴女の暖かいそれとコツン、とくっつけて。慣れているとはいえ、褒められるのは嬉しいことだ。特にそれが、社交辞令の類ではなく相手の心の底から告げられた言葉であるなら猶更。額から貴女の体温を感じつつ、心地よさそうに瞼を閉じて。ふと、その体温が己の片腕にも添えられる。その柔らかな手の感触に、思わず神経がそこへ集中してしまい、視線も其方へと向けて「…貴女以外を食べても、生き永らえることは出来るわ」問いの答えはとても簡単。貴女を食べたくないのなら、他の人間を食べればいい。けれどそれは、口で言うほど簡単なことではない。これから先貴女と過ごす中で、“貴女を食べたい”と絶対に思わない保証はどこにもなく。「けれどね、私が恐れるのは…。」貴女を愛しいと思う余り、その愛情が食欲を刺激し、誘引するのではないか、ということ。ただそんな生々しい言葉を口にするのは憚られて、またしても言葉に詰まる。誑かしているつもりなんて毛頭ないが、いくら甘い言葉を吐こうとも、その相手を何れは捕食する対象と見ているのは己の事実。「…ドロシー、初めて私と会った時、伝えた言葉は覚えているかしら。……貴女は、どうしたいの…?」そして思い至ったのは、貴女が涙を流している時、己が告げた一節――貴女を慈しみ、貴女に望まれて貴女を食べたい――というバケモノよろしくの身勝手な我儘。果たして貴女はこの先どうしたいのだろう、家に帰りたいのか、それとも。一先ずは貴女の望みを訊きたい、と、視線を貴女の瞳へ移してじっと見つめながら返答を待って)
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