執事長 2018-10-04 22:19:25 |
|
通報 |
>ラザロ
(問いには無言を。こちらを覆い隠すように広げられた翼はあらゆる猛威を以て捕食する鷹を彷彿とさせた。息を飲んだ瞬間には眼前に迫っている。恐怖を覚える暇もなく鮮やかに彼は己を獲物として捉えているのだ。舌なめずりはいかにもといった具合で、食事。それはどうやら私のことだったらしい。餌、と明確に位置づられているのだ、私は。そのことをやっと理解する。__しかし、嫌悪感を覚えないままにやっと的を射た、といった風に強張っていた相好を崩せば、わずかに微笑んだ。「お腹が空いているのか。__それは辛いな、もっと早くに私を起こせばよかったのに。」まるで己が食われることに一切の抵抗がないとでも言うかのように触れ合った鼻先を擽る様に緩く動かし、ふふ、と笑い声を零す。脅し文句も何のその。目を細め慈愛に満ちた目で相手を見つめ返せば、言われたとおりに大人しく座り込んで。ただ震えは止まらない。それは明らかに体が拒絶していることを表しており、それでも変わらず穏やかな口ぶりで広げられた翼を見つめては綺麗だな、かっこいい。と高揚した声色で呟いて、)
| トピック検索 |