執事長 2018-10-04 22:19:25 |
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>エヴァン
(――何れは捕食する予定の獲物の中にも、数人はお気に入りがいるもので。今回貴方の部屋を訪れたのは、食事の為ではない。ただ何となく、そう言えば元気にしてるかな、程度の気持ちで顔を出したのだが、何やら貴方の神妙な面持ちを見る限り、面白いことが起きそうで。「んー?なぁに、どうしたの」言いたいことがある様子の貴方に、一度だけ目をぱちくり。こてん、と首を傾げて続きの言葉を待つも、どうにも煮え切らない様子の貴方。察するに言いたいことは決まっているのだろう、そしてそれを言い出す勇気をかき集めているような貴方をじっと待っていたが、そろそろ我慢の限界だ。徐々に眉が歪んでいき、目元は不機嫌そうにじとりと睨むような視線を描く。「…ちょっと、いい加減に――」文句の一つでも付けてやろう、としたところでそれを遮ったのは爽やかな音色。その音に誘引されたように続けられた言葉は全く予想外のもので「……散歩?あなたが?私と?」貴方を指差し、次に自分の方へと指先を向ける。てっきりインドア派だとばかり思っていた貴方から捻出されたとは思えないその言葉、故にその真意が見えない。屋敷内を探索して逃げ道でも探すつもりなのか、なんて的外れな邪推を内心で挙げつつ「珍しいじゃない。いいよ、付き合ってあげる。どっか行きたい場所でもあるの?」片方の眉を歪めつつ、くす、と笑えば色好い返事を贈る。どうせこの屋敷からは逃げられないのに、なんてほくそ笑んだつもりだが、それが全くの見当違いだなんてことには勿論気付かないまま、散歩の行き先を問うて)
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