執事長 2018-10-04 22:19:25 |
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>>ジェイド
( 明確な答えが返ってくることはなかったが、入り組んだ感情の色が見え隠れする瞳に直感的に心中を察しては開きかけた口を閉じた。虚勢を張って掴みかかるかの勢いで距離を詰めていたが、視線こそ一秒たりとも逸らさないものの肯定の意を示す曖昧な応答に改めて背筋にゾクリと悪寒が走る。彼が目を伏せたのと同時に慎重に一歩下がって様子を窺う、その動作すら相手には恐怖におののき後ずさるようにでも見えているのだろうか。実際ちらほらと恐怖心が湧き上がってくる感覚を無視することは出来ず、それでも無自覚に探究心を優先させ暴挙に出てしまうネジの外れた頭に苛立ちさえ覚えて。真っ直ぐこちらを見据えて摯実に言葉を紡ぐ彼に、少しの距離を取って背を向け今度はギルバートの方が目を逸らしてしまった。「……俺がお前を拒んだところで、」身体の向きはそのままに、首から上だけを微かに彼のいる背後へ向けて続ける。「俺は今、お前に縋るしか術がないってこと。」抵抗する気力を失いそう告げるも、関節的に諦念と決意を代弁しているようで )
だから分かった、全て受け入れるよ。……いや 違うな、時間をかけてでも受け入れるしかないと、今しがた理解した。
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