耽溺のグランギニョル【 指名制 / ＮＢＧＬ 】

＞ノア

（まさか忘れたわけではないだろうに、あくまですっ呆けるつもりの貴女を一瞥し、やれやれと言わんばかりに肩を竦めてみせる。面白い反応が見られると思って揶揄ってみたのだが、シラを切られてしまえば期待外れに終わったようで。可愛い――そう言われてみれば、確かに小振りな花弁のこの花は愛らしい造形をしているのかもしれない。しかし自分は花に然程興味があるわけではなく、貴重な魔力を花ごときに消費したのも、全ては気まぐれで。魔法を見せると、惜しげなく感嘆の声をあげた貴女を横目で見つめて、くす、と口元に穏やかな笑みを浮かべてみせる。この程度のことは造作もないが、そんなことで喜んでくれるならやって良かった、と素直に思って。先程告げた意味深な言葉、腕辺りに貴女の体温を感じると掴まれたその箇所を見詰めて「……困る？なんで？君は俺に食べられたくないやろ、…俺がおらんくなったら好都合やんか」それはレンブラントにしては珍しい、どこか自嘲気味の声音。浮かべている笑みもどこか歪んでいて、ある種のやさぐれすら含んでいる。「…せやから、あれは最後のプレゼント。大事にしてな」するり、貴女の手を解けば数歩離れた場所にあるソファーに腰掛ける。どうしていなくなってしまうというのか、その理由も説明せずただ儚げに微笑むだけで）