執事長 2018-10-04 22:19:25 |
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>エヴァン
(悪魔は、そう気が長くないと相場が決まっている。痺れた肉体に鞭を打ってまで、貴方が最期にこの世に刻みたい言葉や想いをじっと待っているのにも限界がある。ふと、貴方の口元が微かな笑みを作ったのを見た。それは本当に微々たる変化だったけれど、気のせいなどではないことはきちんと視認できていた。「そう、笑って逝けるなんて幸せね」ニコリ、そんな擬態語が相応しい無邪気で満足げな笑みを贈り返す。それが自嘲の笑みだなんて夢にも思わず、引き寄せられるように貴方の目元へ顔を近づける。ぺろり、頬を伝う涙を一口舐めとれば、そこからはもう止まらない。吸い付くようにして貴方の涙を啜る。美味だなんて言葉では生ぬるい――背筋がぞくぞくするような多幸感、脳髄がくらくらする酩酊感。筆舌に尽くしがたい御馳走を、もっともっとと求めるように貴方の眼球に直接舌を這わせる。やがて涙が枯れ果てても、悪魔の腹は満たされない。鋭い爪で徒に貴方の頬を薄く切り裂き、そこから滲むようにして流れ出てくる血を啜る。涙ほど強烈な旨味はないが、良いデザートになるだろう。ふと、貴方の腕に手がぶつかる。それを契機に貴方の手首を握れば、口元まで引っ張ってがぶりと咬みつく。鋭い牙は容易く貴方の肉を裂き、骨すら造作もなく噛み砕く。唯一僥倖なのは、悪魔の花の作用で痛覚すらも麻痺していることか。暖かい肉を咀嚼しながら、シーツに飛び散る赤い飛沫をちらりと横目で一瞥。ああ汚れちゃった、なんて徐に考えるほどには冷静で。貴方の血でぐしょ濡れになった口元を、そっと貴方の耳元へ運ぶ。「…おやすみ、エヴァン」とびきり甘い声音で小さく貴方の名を呼べば、素早い動作で貴方の左胸へ手刀を突き刺し、その肉体を生かしていた心の臓を破壊する。そのまま、後はゆっくりと冷たくなっていく貴方の身体を貪るだけ。――こうして、悪魔の部屋に漆黒の帳が下りた。)
(/というわけで、捕食エンド達成おめでとうございます…!前回の交流に引き続き強引な展開の数々で申し訳ございません、少しでも楽しんで頂けていれば幸いです。これで一つの物語に幕が下りたことになりますが、PL様さえ良ければまた新たに物語を紡いでいただければとても嬉しいです。違う住人を指名して頂くのも大歓迎ですし、新しいお子様をお招きするのも大歓迎です。ともかく、遅い時間までお相手ありがとうございました…!今宵はこれにて失礼いたします。本当に、素敵なお時間をありがとうございました。それでは、良い夢を…!)
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