執事長 2018-10-04 22:19:25 |
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>ドロシー
ふふ、私を誰だと思っているの。…貴女が望むなら、一緒に飛んであげられるわ(否定的な色を宿した貴女、でもその言葉尻に好奇心や期待が僅かに含まれていることを聞き逃す筈もなく。すぅっと浮かべた微笑は、上品ながらもどこか凄みのある、まさに人間離れした雰囲気を宿していた。人一人抱えて飛ぶなんて造作もない事。けれど、それも貴女が望むからこそ現実になる事なのだ、と告げて。部屋に入ると、横目で貴女の初々しい反応を観察しては目を細める。おずおずと隣に座ることを選んでくれた貴女に、心が暖まるような愛しさを感じて。「あら、そうなの。…紅茶はヒトの飲み物なのに、なんだか不思議ね」バケモノたる自分に、人間の食糧は必要ない。なのに、人間である貴女より紅茶が好きだという可笑しな矛盾に楽しそうに微笑んで。やがて使い魔のコウモリたちが、器用にティーカップを運んでくる。ソファーの前にあるテーブルにミルクや砂糖の類も準備され、貴女の前にはクッキーやマカロンが振舞われて。「ベルガモット、私の一番好きな香りなの。お口に合うといいんだけれど」少しだけ甘く、そして爽やかで上品な柑橘系の香りが部屋を満たす。ティーカップを手に取ると、まずはその香りを味わうように長い睫毛を伏せ、ゆっくり瞼を上げて貴女を見詰めて)
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