匿名希望。 2018-10-03 06:26:37 |
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《 トド松 》
明歩ちゃんかぁ、可愛い名前だね。…大丈夫、明歩ちゃんが悪いわけじゃないよ。よしよし、怖くないからね。
(無理に貼り付けた様な笑顔からポロリと一筋の涙が流れると、堰を切った様にみるみるうちに大粒の涙が零れ落ちて行くのを目にし、赤の他人なのにも関わらずどうしても放っておけない心情に駆られて、華奢な肩にそっと腕を回せば胸を貸す形でふんわりと抱き寄せ。可憐な相手にぴったりな可愛らしい名を口にして、まるで子供をあやす様な手付きで背中を撫でつつ暫しの間涙が止むまでそのままでいると、涙に濡れた表情が少しずつ落ち着いて来たのを確認し、一旦すぐそこにある自販機の方へ行き、何かを買ってきたと思えばおもむろに“コーンスープ”と書かれた温かい缶スープを差し出して「はい、これ。ずっと外にいて体冷えちゃったでしょ?」真冬程ではないもののやはり夜になると多少冷え込むだろうと考え。極道というイレギュラーな職業柄故、普段はあまり進んで名乗る事はないのだが、何故か相手に対しては警戒心等なく、涼しげな見た目とは裏腹に表情をコロコロと変える様子を目の当たりにしては寧ろこの短時間で興味深い存在へとなっていて、先程の一件のせいで身も心も疲れているだろうという気遣いから兄達に車で迎えに来させようかと提案してみて)
僕はトド松、宜しくね。─家は近くなの?遠いなら車でも用意させるけど、どうしよっか。
《 雪乃 》
鈍いのは青峰くんの方でしょう?こんなに素敵な男の子に成長したのに、寝癖なんて付けちゃって。
(何やら此方をニヤニヤしながら目視してくるクラスの男子からの囃し立てがまるで小学生の様で微笑ましく思いつつ、鈍いなんてあまり言われ慣れていない言葉に対して、机に突っ伏して眠っていたせいか先程から気になっていた青髪の寝癖を指差せばくすくすと笑い声洩らし。会話の方に気を取られており、いつの間にか一時限目終了を知らせるチャイムと同時に其々の生徒がガヤガヤと話し始め、何か思い立ったのか不意にスカートを揺らしながら席から立ち上がり「よし、授業サボっちゃおう!青峰くんも付き合ってくれない?」もはや返事を待つつもりもないのか、答えを聞く前に骨ばった手首を掴み、相手を連れて風の如く教室を後にすれば向かう先は屋上。階段を上がり目的地へ辿り着くと頭上いっぱいに空が広がっており、掴んでいた手首を解放しては塔屋へと登って行き、白く輝く髪を風に揺らしながら自身の隣に相手を呼び入れ)
無理矢理連れて来ちゃってごめんね。…─隣、座って?
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