ポップなデザイナー 2018-09-07 21:07:52 |
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ははっ、それそれ!本当はもうちょっと優雅に言ってたけどねっ。4年間か…まぁでもさ、人間界に馴染むって意味では大成功だよね。おかしな口上も普通になっちゃったし、人間に紛れても怪しまれないようになったし…悪さをするなら絶好のタイミングな気がする。──な、もっ、僕で遊ばないでよジョー!確かに僕がやったことだけど、だって、ジョーから手を握ってくれるなんて、…思わなかったし……嬉しいし…
(毒林檎の彼を真似て、しかし彼らしくやる気の抜けた調子で口上が述べられるとクスクス笑いながら数度頷く。淀みなく間違えることなく口から出てくる口上、おそらく他のリクルーターのものも全て言うことが彼にはできるだろう。それほど長い期間、秋だけではあるが彼含めたリクルーターは共に時間を過ごしたのだ。彼らにもきっとヴィランズなりの絆があるのだろう。そこまできて彼の言葉にふと思考を巡らせる。彼らリクルーターは今や完全に人間界に馴染んでいる。彼らのマスター達が手がけたショーも完全にハロウィンを支配していた。隣に彼らが立っていたってなんの違和感もないだろう。だが相手はヴィランズ、いつ牙を剥くか分からない。隣に立っていた毒林檎が突然襲いかかってくることだってあるのだ。現在進行形でヴィランズである彼と行動を共にしている自分のことは棚に上げてヴィランズが大きな悪さをするなら今のタイミングなんじゃないかと自論を述べた。その場をなんとか誤魔化そうと歩き始めたのに彼はそれを許してくれないらしい。手には更に力が込められその上名前も呼ばれればまた胸が熱くなって息がつまっていく。なんとか肺に息を取り込もうと半ば八つ当たりのように彼に叫び声をあげる。今やしっかりと繋がれ伝わる互いの手の温もり。彼から手を握ってこないだろうからこちらから手を取ったのに、お互いに繋ぎあった手は予想以上に暖かい。しどろもどろな口調になりながらも最後にはようやく彼の方を向いて、言い訳を並べたのだった)
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