ポップなデザイナー 2018-09-07 21:07:52 |
通報 |
え…?──そっか…ごめんジョー、僕のやり方を君に押し付けちゃったみたいだね…ジョーは、君の精一杯を僕に送ってくれたんだ。ありがとう…でもこうやって、目を合わせて僕の名前を呼んでくれるのは、やっぱり嬉しいな
(追い詰めるように見つめていた彼から出たのは自分を卑下するような言葉で思わず目を見開いた。いつも何もかもをスルリと躱す彼からは想像もできない言葉だった。そして続いたのはあれが彼の精一杯だったこと、彼にとって素直であるのが難しいこと。それは今までのように真意をはぐらかすような言葉ではなくて、これが彼の本音だというのは目を見れば分かる。あれが彼の精一杯だったのだ、決して自分をからかったり、翻弄するためじゃない。彼の肩から手を離して目を伏せる。口角を無理やり上げられていたが、その顔には暫く沈んだ色が浮かんでいた。だがふと顔を上げて、また目線が合うと先程こちらの名前を呼んでくれた時のことが蘇った。胸が暖かくなってそれがじわりと全身に広がるような、心安らぐ感覚。その感触を噛み締めると顔には自然と笑顔が浮かんでいて、彼が指を添える必要がないほどに、口角を上げて笑っていた)
トピック検索 |