マーメイドラグーンの従兄弟事情 《〆》

ふふ、じゃあ勝手に何度でもここに来るよ。トリトン王はなんとかなるから問題はアースラの方かなぁ？あの人僕のことどう思ってるんだろ…服をデザインして送ったら仲良くなれたりしない？…んもぉ、本当に何もかも失うことなんて絶対ないよ！僕がもつ繋がりは海によって繋がってる、それはアースラでも切ることができない繋がりなの！ジョーとも海の仲間たちともライバル達とも、どの繋がりも闇の力では消えない。……それとも、ジョーは僕に全てを捨ててここに留まって欲しい？
(彼との会話で見え隠れした僅かな優しさ、それを敏感に察知すると嬉しそうにまた笑みを浮かべる。少なくとも会うのを拒絶している訳では無いのだ、冷たい態度ではあるが彼が自分を閉め出すことは決してしないとどこか確信があった。相も変わらず彼の口から出るのは暗く恐ろしい契約の話。しかしそれでも引く気はないらしく、むしろそちらが光あるこちらの世界を理解していないと頬を膨らませる。このままでは話は平行線だ、永遠に契約するしないの押し問答になってしまう。ここはひとつ新たな手を打つべきだろう。彼の側にいることを了承してもらえればあとはどうとでもなること、それならば彼の考えを飲み込んで逆手に取ってみるのも悪くない。重なった手に少し力を込めながら、ゆるりと首を傾げて優しげに笑みを浮かべてみた)