23876 2018-09-07 17:41:10 |
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( 一枚目の皿を拭き終わり、大袈裟ながら安堵の息を漏らした。貴方に迷惑を掛けたくない、御荷物だとは思われたくない、出来ることならば貴方の心配を少しでも軽くしたいのだ。己よりは小柄な貴方、しかしその食器を洗うのが当たり前で手馴れた様な仕草、幾度か視線を貴方の手元に向けつつ。 )
あー、大丈夫なら泊まってっていい?
( シンクに流れる水音と、食器同士がぶつかり合うが音以外が消えた、静寂が保たれたキッチン。この静寂を破ったのは珍しくも貴方であッた。オマケに視線も此方に向けるものだから多少のこそばゆさを感じつつ、視線は貴方に合わせた。いつの間にか日は暮れ、一度壁に掛かる時計に目を向けると夜八時を回っていたらしい。貴方は至極優しいからと言って、それに漬け込む己もアレだ。しかし今から家に帰り風呂に入り寝ると思うとなんだか億劫で仕方ない、何時も行ったり来たり、泊めたり泊まったりしている中、此処は貴方の言葉に甘えようか、丁度最後の食器を拭き終えた所。 )
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