23876 2018-09-07 17:41:10 |
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( おや、己の言葉が癪に降れたのだろうか。貴方はだんまりを貫き通し、己が提供した次の話題へと移り変わる。一度は驚いた様に目を見開いていたが、直ぐに諦めるような表情を見せるのだ。貴方の表情のみでつらつらと語っているものの、お生憎様その本心は聞けていない、己は貴方にちらちらと視線を送るのに手一杯だった。
貴方は、己の二つの観点から分かる皮肉な運命に関して、迷惑だ とか 鬱陶しい だとかは言わず、しかし一寸ひねくれたコメントをした。彼なりの配慮?優しさ?いやいやそんなこと、多少は考えてみたが、大して自分にとって面白い話題でも無いのだから此処までにしよう。病気の話題に置いて、私生活に置いて、何かと気を遣ッてくれている貴方を己は気づいていない、気づこうとしない。「 わあッてるって。」先程までの思考の色を見せぬ、間延びした返答を彼の背中に返してやれば、引き続き後ろにひっついていく。
さて、整頓された食器、普通の家にしては広いキッチン、シンクに向かう貴方は此処が似合ッていた。うろちょろとはせずものの心はあちらこちらへ飛んでいく。そんななか唐突に頼まれた仕事、それは皿拭き。慌てて服の袖を捲れば、ふと思い出されるこれまで起こした家事での失態。並大抵の人間ならば出来るこの作業、皿を落とすな と念をおされれば幾度か頷き、片手に布巾を、もう片手に皿を取り、丁寧に拭き始めるのだ。 ) おう。
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