見習いマスター 2018-09-02 23:37:37 |
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>>アンリマユ
…ん、ふふ、
(全部、は、きっと本当に全部なのだろうと分かっていて、少しの間に自問自答をし続けている。本当に?自分が得ていいものだと言えるの?相手は英霊様で、自分はただの人間で。どんなに愛を持って触れても、相手は復讐者で、いつか、自分か相手かどちらかは置いていくわけで。相手の背中に回した手は少しだけ震えていて、でも触れていられることが幸せで。アルコールの力を借りていても、目の前で揺れる飼い犬の目は勿論のこと、いつも通り素直じゃない言葉も全部嘘偽りがないことくらい分かっている。から。小さく笑いながら顔を寄せて、唇を重ねる直前に「アンリマユさん、愛しています。」と、ちゃんと全部くださいね、なんて思いを込めて)
>>オベロン
…それが答えですよね、妖精王。貴方のことを邪険にする理由なんて、だって、そうでもないと有り得ないじゃありませんか
(考えていることも、感じていることも筒抜けとして…それでも、何となく口にすることは憚られた。ぎゅっと心臓が痛むような感覚がする。読者としてのエゴに甘えて考えたことはなかった、のだけれど、登場人物からしてみたらたまったもんじゃないだろうに。愛するように生み出された相手が居ない世界に放り出されたと思ったら、今度はその存在がいる世界がイレギュラーだから消すように言われた対象だなんて___しかも、きっと彼女は、この王様の、彼女の役を着た、偽物だ。上手く言えないけれど、なんて、酷い。一度だけ目を閉じて、開いて、深呼吸を一度、それから「少し休んだら、街の方へ行きましょうか…貴方を妖精王として認識する妖精たちがいるのなら、物語の中で恋をしていた人間の方々もいらっしゃるかも分かりませんし、宿も探さないと」。髪から垂れた水を袖で拭いながら、この後の計画を思案して)
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