見習いマスター 2018-09-02 23:37:37 |
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御影尋.
いや、家出じゃねえし、帰る場所だってあるぜ。オレは相棒を探しにきただけ…なんだが、まだ帰りたくないっぽい。
( 化け物だとバレたらここには居られない、目を眇め自分の奥の奥まで見透かそうとするような視線に耐えかね、いそいそとパーカーに袖を通して。少しキツいものの着れないことはない、…とそっと犬でも撫でるような手つきに伏せていた顔を上げ、なにやら勘違いしている少女にハッキリと上記を伝え。…数日間も滞在していたら何となくでも察しがつく、戦い《カルデア》の記憶を手放し、魔術を忘れ、「普通」を謳歌する少女……恐らくここは、彼女の願いを反映した世界なのだ。故にこそ本当に帰りたくないと思っているのは──音も無く背後に立つと、そっと戸棚に手を掛け、「主人公《アンタ》が根を上げるのが先か、舞台が崩れるのが先か…どちらにせよ、時間は有限だぜ。」マスター、なんて心の中で呟き笑う。…願わくば、彼女にはこの虚ろな日常を廻って、廻って、廻り尽くして…自分の意思でこの夢から抜け出して欲しいものだ、)
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