見習いマスター 2018-09-02 23:37:37 |
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御影尋.
( 奥に進むごとに人の息遣いが減っていってるような気がして…やはり素直にあの道を選んだ方が良かっただろうか。胸に差し込んだ一抹の後悔から歩速が徐々に落ちてゆき──そんな時だ、鼻腔を一瞬掠めただけでも口内にブワリと味が蘇るくらいには、芳しい鉄の香りに思わずピタッ、と急停止して。…知っている、この匂いは知っている…何度も味わった、飼い主の気配。木の根に付着したソレを見て、怪我をしたのだろうかと、心配よりも先に喉が鳴る事実が己の本質を突き付けてくる。所詮は人に擬態しただけの怪物なのだ、「…ッ、」周囲に誰も…特にこの血の持ち主が居ないことを確認すると、指先を血で汚しそのまま舌に運ぼうと、)
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