見習いマスター 2018-09-02 23:37:37 |
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>>アンリマユ
(美味しくなんてないはずの涙さえ優しく拾い上げられると、それだけで満たされた気がしてもっと視界が滲んでしまう。頬に触れて、指を絡めて、泣きじゃくるみたいに止まらない涙に貴方が呆れてしまったら寂しいから握る指に力を少しだけ込めて、もう強請らなくて良いと言われた手前、離れないで欲しいと言いたくても…涙が止まらないせいで呼吸が短く途切れてしまう。だから、息を吸い込むように少しだけ口を開けて、貴方が言った通りにして…あの雪の中で自分を見据えた目に宿っていた寂しそうな光が、今はないという事実だけで自分は貴方に何でも捧げたくなってしまうのだから本当に救われない。「…気持ちいい、ですね」と呼吸の合間に呟いたのは、冷えきった身体がゆっくりと体温を取り戻す感覚を貴方と共有できていることが溶けてしまいそうなくらいに嬉しかったから)
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