橙 2018-08-11 15:32:12 |
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>31 ( Oscar )
俺が今欲しいのは「 俺の命 」。その対価に見合うなら何だってする。
( 心理を探ろうとすればするほどに見誤り、読めない相手。心理が読めぬという事は、次にどう出るかが分からないという事。トクトクと普段よりも大きな音を立てて打つ心音が、酷く煩く感じる。上手く言葉を紡ぎ出せない唇を舌先でなぞり、湿らせた後に出したのは此方からの要求。その対価が何であろうが見合っているのであれば構わない。ただ、それは相手が決めるのであり自分が決めるのは間違っているだろう。次いで告げられた言葉に断られた場合を考えていない事を見透かされたようで、一瞬言葉に詰まってしまう。心の奥底までも見透かされるような相手の瞳から視線を逸らさぬように、じいと見つめつつ。最終的に至る考えは、やはり免れられないもの。死に対する恐怖が無いといえば嘘になる、しかしそれに勝るくらいにこの状況が楽しいのだ。思考を巡らせる為に表情を消し真顔へと戻るものの、直ぐに片側の口角を上げ )
…どうもしねェよ。お兄さんとの力の差じゃ俺が負けるのは目に見えてるしな。
( 掴んでいた腕を引かれる事に、咄嗟の反応が出来ず辛うじて相手の体に上半身が密着する前に右肘をベッドの上へとつき、ストッパーの役割を果たす。先程までよりも近くなったら相手の顔との距離、取引に乗るにしろこのまま殺されるにしろ体を起こす気は無い。手首を掴んでいた左手を離し、被っていたフードを外せば一歩間違えれば命を落とすかも知れないスリルを楽しむ表情が露わになる。落としたナイフには手が届かない。くい、と暗がりの中薄らと見えるそれを顎で指し示し )
殺すならそれで一思いにやってくれよ、苦しいのは御免だ。
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