名無しさん 2018-07-19 10:27:14 |
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――御代り。
(彼女がよそってくれた量の白米を、二口ほどで食べ終わり、空っぽになった茶碗を椿へと差し出して。ここにきてようやく椿は、人間界ではあまり見ないような大きな御櫃と、五、六合はあるのではないかという大量の白米の意味を知る事だろう。彪士は歴代で最も力の強い鬼で、ゆえに必要とするエネルギーも多いのだろうか。ともかく不思議なのは、食べるスピードが速いのに、一切がっついているような印象を与えないことだ。洗練された箸使いや、上品な所作がそう思わせるのだろう)
……お前はあまり食が進まないようだが。無理して喰わずともいい、そのうち此処での生活に慣れれば食欲も戻るだろう
(ふと、相手の膳の残り具合を見て、素直に思ったことを述べておく。無論自分は、よく食べ活気のある花嫁の方が(丈夫な跡継ぎを生んでくれそうなので)好みだが、まだはたちそこらの人間の娘にそれを求めるのは少々酷だろう。慣れない環境に放り込まれて食欲が減退するなんてまるで借りてきた猫のようだなと思いつつも、食べたくないなら無理して食べる必要はないと告げて)
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