黄金色の導き（非募）

安室透


っ、 嗚呼、 もう …。 遅刻ですよこれじゃあ …。

(今日は久しぶりに絶賛片思い中だと1人思い込んでいる彼との食事で。組織が崩壊し真実を告げられた安室は彼を受け入れ今ではもはや仲が良い程で。『絶対に残業なんかしない』と今日は１日中言い張っていたが公安の仕事となると残業が付くのがもはや当たり前になってきているようで。 只今、先ほど残業を押し付けられればムカムカと不機嫌そうな顔で淡々とこなし、スーツのジャケットを羽織りながら建物から出てきたばかりで。腕時計を見れば約束の時間を余裕で過ぎていて。 「最悪だ …、」と零しながら駆け足で待ち合わせ場所へ向かう。 車で行くには近すぎる距離なので車は帰りでいいだろう、と頭の片隅で色々な事を整理しながら待ち合わせ場所へ急ぐ。)