柊 2018-06-21 18:22:54 |
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<切りすぎた前髪、その右手繋ご。_ケンティーside_>
『○○ー?』
「ごめんお待たせ。」
『そっちこそ5分前じゃんw』
「そっかw寒かったでしょ?あったかいの奢る!」
『えー、奢らないでいいから○○にあっためて欲しいかな?』
1ヶ月ぶりの○○。彼女の勤務先との関係で遠距離中でございます。
すれ違いがなんとか、ってよく聞くけど俺らにはそんな予兆もなくて、早くも1年が経とうとしている。
ん?やっぱ前言撤回。○○が目を合わせてくれない。これは、大事件だ。
右手で前髪を押さえたまま、うつむいてる。ずっと。
『行こ?ほら、』
あえて左手を差し出すと、俺の手を見つめたままフリーズする○○。
「ね、前髪変でも笑わない?」
『切りすぎた?』
「、、うん。」
『だからずっと押さえてたの?』
「うん。」
『見せて?』
彼女が恐る恐る取り払った右手から現れた前髪は、眉上で、今まで○○のオン眉なんて見たことがなかったから、止まってしまった。
「え、だよね。いい年してオン眉とかイタいよね。ごめんね、1ヶ月ぶりなのに、隣にいるのが変な女で。美容院いけばよかったんだよね。ケチって自分で切ったら失敗しちゃったの。せめて、笑ってよ、。」
もの凄い勢いで○○が喋り出して我にかえる。
『俺のために切ってくれたの?ありがと。嬉しい。貴重な○○のオン眉、拝んどくわ。幼い!可愛いんだけど。隠してたの勿体無い!』
「恥ずかしくて消えたい。」
またそんなことを言い出すから、スマホで美容師の知人の予定を無理やり確保する。
『ね、染めない?派手な色に。ど?』
「え、会社はいーけど、美容院。予約もしてないし、私この前ケチったのに」
『今取った。仲良い美容師さんいるの。お金は、俺が勝手にしたことだから俺が払うけど、しない?前髪もっとお洒落に見せたら楽しくない?』
「、行く。お返し、いつかするね?」
『じゃ、今夜○○もらう。』
「へんたい。」
『なぁに想像してんの。w行こ?』
そうして差し出した左手に、今度は素直に右手を重ねてくれた。
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