アリスは憂鬱な夢を視る　/　半無登録、指名制　/　NBL　/

＞マコト


医者なんて此処にはいない、薬を作るのはムカデだけ。＿＿アリス、夢なら痛くない筈だろ。夢か現実か調べるのに手っ取り早い方法が有るぜ、その頬を引っ張るんだ。(時折受ける薔薇の邪魔は気にする素振り無く、慣れた様子で先を進み。その中で止まる事を知らない質問の雨を受ければ何よりも先ず先にその返答を。無論、現実なのだ。それを知った上で答えを試させるのだから意地が悪いとつい自嘲をしてしまう。「此処は不思議の国、此処に迷い込むのはこの国を統べる女王陛下の候補たち。それがお前さんみたいに他所のクニから連れて来られる、もしもお前さんが正式に時期女王の候補なら"アリス"っつう存在でこの国で過ごす事になるが、そうなっちまったら元のクニには帰れない。逆に、お前さんが"アリス"じゃないなら、安心しろよ。次に気付いた時には元のクニだ」説明と呼ぶには聊か雑なそれを行い、先ほどより感じる彼の背景を思えばいっそこの国にいる方が幸せなのでは、と思うその一言を喉奥へと押し込む。城に到着するそのタイミングにて「名乗り遅れたな、俺は不思議の国、赤の城お抱えの名コック。"ライオン"＿＿だ。お前さんがこの国にいる間面倒みてやるから安心しろよ」此処ではい役目は終わりと投げ出すような薄情者ではない。がははと笑い声を上げながら今更過ぎる自己紹介を行って、そのまま足は己の住みつく厨房へと向いて)