赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>ライオン
ウソだ、そっくりだったじゃないか。
(駄目だしを喰らい一瞬は自信消失に見せかけたとて、笑って揺れる逞しい肩に睨みをきかせ文句を呟き。正真正銘の遠吠えは鼓膜のみならず髪も服も震わせ遠くへ響きやがて消えゆくのが五感に訴え目はぱちくり。やはり獅子に見えた存在は獅子だったのだ、夢の中の猛獣はニンゲンのように二本足で歩いているけれどこんな猛獣ならそれ程怖くは無いのではないか?ふっさりとした髪を引っこ抜いて泣かせてみたい気分は今は我慢。「転んだってたいしたことかいよ。しがみ付いていればいいんだ」叱咤されてもなんのそのでけたけた意地悪く笑っていたが脅されて笑いは終了。病院のいしゃだのかんごしだのとは違うのかもしれない、錯乱したり鬱鬱としたり、はたまた同じ事を何回も繰り返す老人とも。「…分かったよ。お前いしゃじゃないの?アリスってなに、不思議の国は僕の夢だろ?」何処に掴まれば怒りを買わないのかを吟味して腕を回しておいた次は質問の嵐。聞こえたタスケテは誰だったのか、そもそも夢では無いのか次第に混乱が生じ)
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