赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>フラミンゴ
すまんなァ。此処で面白いことやってる…いうのは聞いとったんやけど、具体的なことは聞いとらんくてなァ。( 率直なその感想はご尤もだと改めて思う。そういえば、出掛ける前に帽子屋が何か言いたげにしていたということを思い出す。それを聞かずに出てきてしまったのだ。帰ったら怒られてしまいそうだと思えば苦笑いが零れ、恥ずかしそうに頬を掻く。今度からは話を全部聞いてから家を出よう、などと変な覚悟まで決まったところで続く言葉に瞳を丸くさせる。何でも願いを叶えることが出来るマスコット?そんなもの存在するのか。…存在しているからあるんやろなァ。なんて、妙に納得すると、入っていた缶へ大事そうに戻し蓋をしてから鞄へと入れる。続く具体的な内容は聞き逃してはならないことくらいはわかるようで数回頷き「わかったわァ。丁寧に有難う。何か閃いたときに使わせてもらうわァ」すぐに使え、と言われるのではなく、何か閃いたらという言葉は心に安堵を連れてきたようで。安心したような嬉しそうな、目を細め表情を綻ばせると礼を伝え。鞄へと視線を落とし“とは言え…今のところ使いたい人おらんなァ”困った、と言わんばかりに頭を悩ませていたところで咳払いが聞こえると顔をあげる。先程まで少し怖いとすら思えていたメイクや衣装がだんだんと馴染んできて、早鐘を打っていた心臓も落ち着きを取り戻していた。続く言葉にきょとんとするもすぐに眉尻を下げハハッと困ったように笑い声を漏らしてから「遊園地にいる住人について聞いとって、それに当てはまるのがフラミンゴさんだったんよ。此処に来たはええけど、人の気配はすれど、誰も見つからんくって。たまたま見付けたのがフラミンゴさんやって、声を掛けさせてもろたんよ。漸く見付けれた、話せる住人…って意味でなァ」柔らかな笑顔を浮かべながら、具体的に彼を見付けたときの自分の心境を包み隠さず伝える。それから鞄を持ち直し、スカートの裾を軽くつまみ少しだけ頭を前に傾け「自己紹介が遅れたなァ。私は帽子屋さんとこのアリスや。変わった遊びとかが大好きなんよ。よろしゅうに」簡単な自己紹介を並べればパッと顔をあげ目を伏せ明るく笑ってみせる。第一印象は大切だから、と改めて自己紹介したはいいものの、なんだか遅い気がすると気がつけば笑顔を引っ込め、柔らかな雰囲気はそのままに「フラミンゴさん…って合うてて良かったわァ」改めて声を掛けたときの名前が間違っていなくて良かったことをそのまま伝え。 )
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