アリスは憂鬱な夢を視る　/　半無登録、指名制　/　NBL　/

>フラミンゴ

( 自分の声に反応を示してくれたのだろうが、油が切れたロボットのような動きで振り向く仕草から声を掛けたのは間違っていたのだろうか？と思わされた。顔を隠すようなベールと際立つ黒リップが、少し怖いと思っていた遊園地をさらに恐怖に陥れてくるような感覚になり、思わず身体を強ばらせてしまう。然し、自分が口にした人物で間違いないということが、彼が手を振ったことで理解できれば、安心感が胸に広がるのを感じ。強ばっていた身体から力を抜こうと、ゆっくりと息を吐き出し身体中から力が抜けたのを感じ取る。改めて向き合おうと顔をあげたところで先に彼の方から言葉が発せられれば思わずきょとんとしてしまう。「…ゲームって、フラミンゴさんを見付けることやったん？」楽しいことがある、ということは聞いていたが内容まできちんと聞いてこなかったと思い出せば、不思議そうな表情のまま素直な気持ちをそのまま口にし。それでも、シルクハットの中へ手を入れ小さな缶を手に取ると興味深そうな様子で、様々な角度から眺めてから「あけてもええ？」面白い、と言いたげな雰囲気を醸しだしキラキラとした眼差しを向けると確認を取る。然し、それよりも先に缶をあけると中から出てきた兎のマスコットは可愛らしいが、血に濡れているのが残念だ。いや、ハロウィンなのだから当たり前か？とぐるぐる考え込むと「兎のマスコットやんなァ？」血に濡れているとはいえど見ればわかるマスコットなのだが、確認せずにはいられないという様子で、険しげに表情歪めると首傾げ )