赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>エヴァンジェリン
(微睡みの中のような甘い空気は彼女特有のものなのだろうと捉える。暑すぎず寒すぎず、陽だまりのような心地よく丁度いい空気感と気を悪くする訳じゃないサラリと軽い言葉のやり取りが楽なのだ。それはきっと彼女自身の魅力に絆されていると言っても過言では無いだろうし、その居心地の良さに甘えて肩の力を抜いているのだとも思えた。メイドへ送られる注文を聞いてから「じゃあそれで」なんて注文を閉じる発言で締め括り。にこにことした表情のまま返事を先に下がっていくメイドの背中を見送れば「甘いもん食うのに甘いもん呑むの」なんてわざわざ言わなくていいだろう余計なお世話を横目に彼女を写しながら軽口のように「だからお前といると甘ったるいんだな」へ、なんて小さく吐息を吐き出しながら八つ当たりにも似た突拍子のない発言をからかうように続け。彼女の顔を隠しているストロベリーアイスのような淡い赤の色もそうだ、中毒のように甘いものを求める住民性が彼女に惹かれる理由なのだと思考を落ち着かせた所で一人納得し、何も食べていないのに口内が甘味に満ちた気がして煙草を欲した。ん゛ん゛と喉の絡みを取るような咳払いを短く落としては再度歩みを再開し「似たような扉ばっかだから迷ったら誰かを頼れよ」と適当なアドバイスを送る。そうは言っても時間ばかりは余すほど有るだろうし、心配も要らないだろうと思うのは彼女がぴいぴいと泣き喚くアリスじゃないからか。広い城内を暫し歩いて到着したのは幾つもの部屋がホテルのように並ぶその場所で、その内の一室を開けば「ここん中はお前だけの場所だから好きに使っていいぜ。」と面白みのないシンプルな作りのそこを説き)
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