赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>白の騎士
───おや、まあ。ハロウィンやから意地悪ゆうてると思うたけど、ちゃうなァ?(このクニに来てからは全てが全て親切で過ごしてきたわけではない。とはいえ、此処まではっきりと見返りなく助ける義理はないと言われたのは初めてだった。それだけでなく姿を、慕う帽子屋の姿へと変貌させたことに、瞳をまん丸にしてしまう。然しすぐに楽しそうに、可笑しそうに、くすくす笑い声を漏らしながら首を傾げる。それから“ふむ”と、ひとつ頭を悩ませた。彼が望む言葉を発すること自体は恐らく簡単だろう。だが、私は彼の言う白の女王とやらに会ったことはない。「敵か味方か…私が敵やないよ、と言ったところで無意味とちゃう?やから、まずは白の女王様とやらに会って話して…白の女王様が、私を敵と判断したならそん時はそん時やなァ、うん」悩み巡らせていた思考から浮上するように顔を上げ、帽子屋の姿であり中身は完璧に違う彼に問う。今この現状での二つ返事は宜しくないとの判断をしたのだ。そもそも、赤の女王ともきちんと向き合って話をしたわけではない。このクニの説明として帽子屋と共に城に行ったときに挨拶を交わした程度で。そんな状態で味方だのと言いきれるはずもないのだと、言の葉を紡ぐ間柔らかな笑顔を向けたり、首を傾げたり、一人納得したり数種類の表情を見せたかと思えば「私は帽子屋邸のアリスやから。帽子屋さんの味方であることは間違いない」自分を包んでくれている服を作った彼から離れることは有り得ない。それだけは断言できると最後に穏やかな笑顔を向ける。差し出されたランタンは受け取らず「白の騎士さんは、どうしたいん?見返りは、何が欲しいん?今はお菓子しかないよ。簡単に敵やないとも言えへんよ」問われている身なはずなのに、もしかしたら置いていかれる可能性だってあるというのに、手を後ろで組み、無邪気な雰囲気と笑顔で問い掛ける。さも、悪戯を仕掛けた張本人かのように楽しげな声で。嗚呼、此処で置いていかれたら、きっと亡者になってしまう。それでも彼らの気持ちを優先したい、彼らと仲良くなりたい。アリスだからといって特別扱いされたくない。そんな気持ちが溢れ出ているかのようで)
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