赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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───どうしようかな。(彼女がここに居る理由、そして之からどうしたいのか。具体的な内容を紡がれれば本来ならば行先も同じなのだ断る理由なんてほんの少しも有るはずが無いのに返す言葉はあまりにも宙ぶらりんとしたはぐらかす内容で。浮かべる表情も愛想のいい笑みには次第に意地悪が浮かび始めてニヤニヤと揶揄うように口角が持ち上がっていて「それをすれば私にどれだけの得が見られるんだ」片手の指先を己の顎元に当ててつう、と輪郭をなぞるように触れる親指と人差し指の先を滑らせる。追い掛けるように紡ぐ発言は彼女を試すようでもあり、その発言からもこの男が無条件にアリスの味方ではないことを教えるようで。少しだけ考えるように一呼吸、彼女が瞬きをするその一瞬に自らの姿を帽子屋その者に戯れと変えて見せた。化粧も衣装も体格もまるっとそのまま変化はなく、姿だけを帽子屋に変えれば長い髪を払うように手の甲で肩裏へ落とし「私は白の騎士、君が白の女王の敵じゃないなら力を貸してやってもいい」続くように自らの名を名乗れば今この場で助けになるかどうかは彼女の返答次第だとでも言うように、帽子屋の見目で有りながら確実に中身は違う存在である空気の違いを漂わせつつ"私はどうすればいい"と返事を促すように言葉を留めて。暗闇の中ではこれしか頼りにならないオレンジ色に爛々と光るカボチャのランタンを横目に一瞥、そのうちの一つへ手を伸ばせば空っぽの中身で蝋燭が揺れるそれを枝からおろし拝借してしまう。「夜道に一人ぽっちのアリスを甲斐甲斐しく世話を焼くほどお人好しばかりじゃない。それを踏まえて私を信じるか自分でどうにかするかを選ぶといい」わざと怖がらせる物言いはその裏に幾人か信用ならない住人が浮かぶからなのか、それとも自分こそがその内の一人だと自覚があるからか、どちらを選ぶにしても暗闇の中では気持ちが折れてしまうと手にしたランタンを彼女へ差し出し「使うといい」と言葉を添えて)
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