赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>ジャック
それじゃあ、さっきのお詫びにオレも晩酌に同伴しても?いっぱい接待するぜ。(冗談のつもりで付けた敬称をそこまで嫌がるとは思わなかった。Scusamiと笑み混じりに軽く謝って。それに今は彼の手元の方が重要だ。謝罪もそこそこにボウルの中を覗き込んでふんふんと相槌を打っていたが、話が進む内に名案を思い付いたとばかりに得意気に提案を。タダ酒に預かりたい気持ちが大半、純粋な好意や謝罪の気持ちはちょびっと。でも、恐らく彼は条件を飲んでくれる筈だ。そんな気がする。誰かと一緒に過ごす温かさを。人肌の心地良さを知っているから。料理をする頻度は人並み程度と言ったところか「んん……台所に立つかどうかは気分によるけど、料理自体は得意な方だし、好きだぜ───あなたの方は?」そういえば相手の職業を聞いてなかったな。出された指示に頷きを一つ「Si」心得た。火を灯したコンロの上に鍋を置いて、揺らめく炎が鍋底に触れる程度に火種を調節、木べらを餡子の中に。和菓子を作るのは初めてだというのに、鍋底で白い餡を練り混ぜる作業は不思議と懐かしい。手は休めずに既視感の正体を考えあぐねること暫し、ようやく合点が付いた「……ふふ、なんだかシチューのルウを作る時と少し似てるな」小さく呼気を零して笑う。そうか、ホワイトルウの作り方に似ているのか。バターと小麦粉。焦げ付かないように鍋肌をそっと掻き混ぜる。優しく、ゆっくり。熱気と共に漂う甘い香りが少しずつ広がって行く。やがて木べらに伝わる感触が変わったところで「これぐらいで大丈夫か?」彼に見えるように鍋を傾ければホロリと崩れた白餡がお目見えに)
(/愚息もジャック様に対して勝手に親近感を抱いていることかと思います。普段から人との距離感がおかしいのであんまり変化はありませんが(笑)そしてイラストの方も拝見しました。毎度毎度イケメンに描いていただいて……我が子ながら眼福です、惚れ惚れいたしました(…)お忙しい中、とっても素敵なイラストをありがとうございます!!)
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