赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>リトルオイスター
何それマジぱない!角かっこいーけど、怒らせんのも怒られんのもヤだから黙ってよっと。教えてくれてありがとね、リトちゃん。(流石は不思議の国と言うだけあって、見聞きするものの殆どがいとも容易く自分の中の常識を塗り替えていく。軽く宙を仰ぎながらもこもこと頭上にフキダシでも浮かんで来そうな様子で、まだ一目と会ったことの無い人物への想像を膨らませたかと思えば軽く頭を振ってそれを散らした。あれやこれやと振り掛けんばかりの勢いで話をしてくれる相手と居ると、それこそまるで遊園地にでも居るかのように気分がずっと高揚したままの不思議な心地に包まれるようである。同時に、与えられる情報が多い分人並みか或いはそれよりもう少しばかり旺盛な好奇心が気になる単語を無視してしまうことを良しとしないようで、ふと耳が拾い上げた言葉に小さく首を傾げると「まっしろけっけ?アタシ赤の女王って聞いてんだけどさ、てっきりまっかっかなんだと思ってた。」と、自分が聞き及ぶ範囲の知識とのズレについて素直に疑問を投げ掛けた。よもや今しがた話題に出たその人物がこの国における要注意人物であるとは思ってもみない、それだけに依然として楽しげな様子のまま何とも魅力的な菓子の並びを鼻歌混じりに眺めている。色も形も様々なそれらをあれも欲しいこれも欲しいと童心に帰って楽しむ傍ら、相手が聞かせてくれる人物像がこんな可愛いを目一杯欲張ったような店を管理するには些か不似合いなものであったことが何だか可笑しく、そして途中からやっぱり話が自分のことに摩り替わってしまう相手が可愛らしくて、くふくふと口元に手を添えながら笑みを零すと「何それぇ、超会いたいんだけど、アタシが見たげる、どっちの脚が長いかって。だからまた連れて来てよね。」と強請ってみせ。そうして言葉を交わしながら自然と相手の隣に立つと、宛ら運命の出会いをしたと言わんばかりのテンションでお気に入りの一品を見つけた様子に「見せて見せて」と相手の手元を覗き込み、ハロウィンらしい不気味なグロテスクさと可愛らしさを兼ね備えたそれに「わっ、イイじゃん!これアタシも欲しいからリトちゃんにトリトアしかけるわ、絶対!」と、自分もまたお気に入りの一品を見つけるべく再び店内を見回しながら意気込んで)
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