赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>帽子屋
はろうぃん?…嗚呼、そういや10月になったらなんかやるんやったか。仮装するイベントやったのか。(初めて聞いたわけではないのだがイベントというイベントからかけ離れて過ごしてきた故に思い出すのに時間が掛かった。然し、思い出し納得しては緩やかに口角を上げ「帽子屋さんが選んで。仮装とかわからん…帽子屋さんみたいな服着るのは楽しそうやなァ」何かの仮装をするというのに抵抗感はないが、何の仮装するかというのはよくわからない。ので、他人に選んでもらったの方が一番見合うに決まっていると判断し強請っては、改めて彼の姿を見ると似合う似合わないとは別に単純に綺麗だなァとそのまま口にし。髪を掬う指先が少し擽ったくて目を細める。靴をくれる、というだけでなく仕事の提案までもしてもらえたことに流石に驚きを隠せない。「帽子屋さんが、ええんやったらお願いしたいわァ。報酬は出来高制でええよ?やって、似合う似合わないもあるやろ?」自分の見た目が可愛いかどうかはわからない。だが、自分で見るより他人からの感想、判断は正しいものだと思っている。ならば、彼が可愛いと思ってくれているなら、それは彼にとって正しい感想なのだと思う。だとしても、全てを着こなせる自信は無いということと、金は確かに大事なものだが物凄く欲しているというわけではないので、片手を突き出し言い切って。お菓子の甘い香りだったのか、と納得したところでクッキーが入っているだろう包みを差し出してもらえば思わず凝視してしまう。自然と視線をあげたところでウィンクが飛んでくれば笑みが溢れる。「食べる。今食べてもええ?」包みを両手で受け取れば可愛らしくて思わず色々な角度から眺めるような視線を向けながら問い。高らかに笑ってもらえたことで不安が吹き飛んだ気がした。あまりのあっという間の出来事にパチパチ、と数回瞬きをする。「そう、なんや……そう。うん、そうやなァ…。たまにランキングつけて話すの楽しそうやわァ」力強く頭を撫でられれば思わず身を竦めるも心の中にストンと言の葉が落ちてきて。新しい発見を沢山見付けさせてくれることに感謝の気持ちでいっぱいになれば、彼がキラキラして見えて思わず目を細める。澄んだ空気の中に混じった紅茶の香りに自然と視線は前へと移動し、そこはまるで作り物のような世界。彼に続きアーチをくぐれば、謎の安心感に襲われた。今まで新しい発見への喜びで感じなかった疲労がドッと身体に押し寄せる。「足は平気…やけど、疲れたみたいやわァ。歩いたのなんて久々やったから……あと、帽子屋さんのお家の雰囲気が好きやもしれん。此処に着いた途端、疲れたーって気持ちになったんよ」隠したところでバレるのならなんの意味もないと素直に体力のことを話せば「此処、住んでもええ?」まだ他の場所を見ていない。何より恐らく一番最初に行くべき赤の城を見ていない。だが、空気が、紅茶の香りが、彼の性格が、ほんの少しだけしかわからなくとも長い時間を過ごすならばこの場所がいいと直感的に告げているのだ。その直感を信じたい。そう思い、アリスという役割にはちゃんと住む場所があって色々しなければならないのかもしれないと思えば断られる可能性の方が十二分に高い。恐る恐ると言った口振りで強請ってみて)
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