赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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(投げた質問への回答を耳にすれば彼女の置かれた立場をすんなりと理解する事が出来た。納得の意味で頭を少しだけ縦に振れば「此処はね、不思議の国。アンタはこの国に気にいられちゃって連れてこられたってワケ。今からアタシが話すことはきっと信じられないと思うんだけどさ、聞くだけ聞いてよ」自らの顔を見せるべく頭に乗せる帽子を少しだけ正して一呼吸、ゆっくりと唇を動かせば物語の始まりでも聞かせるように落ち着きある声色で前述を綴り。視線の動きで薔薇に囲まれる周囲を一瞥すると「この国はそこで暮らしてる赤の女王が取り成してるんだけど、可哀想だけど病気でさ。次の女王陛下を探さなきゃならない状況なんだ。赤の女王になる為には一つだけ条件があって、アンタみたいに此処じゃない何処かから来た人って言うのが決まりなんだ。他所から来た人を此処じゃ″アリス″って呼ぶから、もし誰かからアリスって言葉が出たらアンタのことを呼んでると思って間違いないかな」ざっくりと、しかし丁寧に、この国の現状と彼女の立場についてを説くと自らの胸元に片手を添えて「アタシはそんな女王候補が此処で暮らすのに不便が出ないよう助ける存在。アタシのことは帽子屋って呼んで」長い睫毛を揺らすべくバチンと力強いウインクを送れば一拍の間を、そうして少しだけ渋り「此処は病院なんかじゃないし、アンタの過ごしてたクニでもないんだ。なんだったらさ、元の場所には帰れないと思ってもいい。理不尽に巻き込まれちゃった訳だけど、アタシはアンタの味方。いきなりこんなこと言われても、って感じだとは思うけどね」肩の力をゆるりと抜けばそのまま力なく肩を落として片方の眼をすうと細め、彼女の立場を思ってこその本音を添えて)
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