赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>惣雨介
心外だなぁ、僕ほどきみに優しい人もいないだろうに。(食い下がられると踏んでいたがその答えは違ったらしい。予想外の反応はほんの僅かに瞳を丸くすることで少なかれの惑いを与え、胡散臭くも肩の力を抜きながら訂正でもするかのように前述を。勿体ぶる様に"んー"と考える間延びした声を先に落として「もし答えが知りたくなったら、いつでもおいで」今ここで明確な答えを伝えるのでも、逆に縋りついて答えを教えるでもない。ふと思いついたような言葉は単に気まぐれのそれで、事実その答えはこの国にて生きる事を当たり前としている住人には答えることが出来ないだろうと自信が有るからゆえの次回への結びで。幼くは無いが成熟でもない、まだ青さの残る彼ならばこの場の空気に飲まれてしまってもなんら可笑しくないのに、何処か冷静さを持った状態でこの場を観察する様にリズムのずれるようなマイペースな拍手を数回送り「その通り、夢が夢で終わるのか現実になるかは幸運の女神を掴めるかどうかに掛かってるけどね」そう返事を返したところで今までにない彼の表情に気が付き、花が綻ぶ様なその表情の変化に同調して見せると彼のものとは全く違う思いやりの無い微笑で「どうしたの、ひなくん良い顔も出来るんだ」目を合わせて話そうとするのは癖の一つか、真直ぐに伸ばせば差が開く背丈も猫の背のように丸めて視線を揃えて。適当な酒を与えて全うな考えが出来なくなるくらい潰してしまえば早いのに、無自覚にも彼は生き抜く術を知っているらしい。まるで自分の飲むものに合わせるとでも言われてしまえば散々大声を出すことを我慢していたのにはじける様に声を上げた笑いを響かせて「っはは!そう、僕と同じのにするの?そっかそっか、うん、いいよ。」そうしてソファの前に並べられる幾つかのグラスは全て選ばれることなく「僕のと同じのを頂戴」とサーバーでもあるバニーガールへ注文の声掛けをすればすぐに二つのジョッキに入った飲み物が届けられて。一つを彼へ、一つを自分の手元に。そうして足を組むようにソファへ腰を下ろすと「ひなくんの楽なようにしていいよ」と先ずは伺うようなその問いかけへの答えを。ジョッキを口元に運べばアルコールなんてほんの少しも入っていない苦さを味わう、色の黒いそれは烏龍茶らしく「僕はね酒が無くても楽しめるんだ」潤う喉に合わせてテーブルへジョッキを下ろし、頬杖をするように改めて可愛らしいだけじゃない彼の美しさを楽しんで)
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