赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>帽子屋
……そうか( 暗に今日が良い日だったと言ってくれているのだろうか。それを改めて問うような野暮なことはしなかったが、口許が自然と緩むのを煙草を持つ手で隠しつつ短く答え。その後に続いた相手の言葉も含めて、煙草を吸うのに理由も頻度も意識したことが無かったなと考えながら、薫る紫煙を辿るように宙を仰ぐ。「あまり考えてなかったな。朝起きた時と、何かを考える時……手持ち無沙汰になった時、何かを終えたタイミング」指折り数えてみるが、言えば言うほどそれが高い頻度であることが明確になっていき苦笑を浮かべる。「気をつけるよ」と相手の言葉を飲み込みながら、短くなった吸殻をキノコ柄の灰皿へ押し付けた。もう一本、と自然に伸びた手を気まずそうに泳がせると、それをライターの方へ動かし火を点けることで気を紛らわせる。向日葵のような黄色。袋を受け取った相手が声を弾ませる姿に、もちろん、と頷いて開封を促す。「気に入らなくても返却は受け付けないぞ。使い道は自分で決めてくれ」優しく世話好きな相手が人からの贈り物を無下にすることは無いと分かっていても、自信の無さからつい皮肉めいた表現をして )
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