赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>白兎
えっ、マジ?(苦い顔をする相手と同じくらい、宛ら嫌いな食べ物を口に含んだ時のような、そんな顔で黙っていたが続く提案にはぱちぱちと瞬いた。正直視覚的な"可愛さ"をある程度保てる環境であれば、その他の条件は比較的広く飲めるという自信はあったらしい。書類整理と聞けば経験こそ無いものの何だか簡単でラクチンそうだ、と勝手な想像を膨らませながらふんふんと頷くと「よっし、その話乗った!助けてもらった縁もあるしね、アタシがアンタの仕事手伝ったげる。こーんな何も無い部屋じゃ暮らしてらんないし、ちゃちゃっと稼いで部屋中デコんなきゃだし」と、改めて殺風景な室内を眺めた。正直此処までとんとん拍子に話が進み、女王陛下だ城暮らしだと言われて舞い上がっている所為か自分の置かれたこの状況を鑑みる思考回路がなかなか戻ってこない。慣れた手付きで紅茶を用意してくれる相手に「あんがとねぇ」と声を掛けつつ、高級そうな銀製のプレートに載せられていたケーキの皿を相手の前へすっと差し出す。茶会の用意は整った。自分の分の紅茶へ砂糖を1匙、ミルクをやや多め。ゆっくりとかき混ぜたスプーンをソーサーに置いてから改めて相手の視線を見返すと、何とも頼もしい申し出に"アハハ"と明るく笑って「チョー頼りにしてるかんね、アンタはアタシのお気になんだからさ。アタシの事大事にしてくれたら、ちゃーんとケーキ買ってきたげる」後半はやや冗談めかして続けてみせた。何だかんだと続いたあわただしさをねぎらうように紅茶を一口飲むと、ほっとして表情を和らげながら「おいし、」と呟いて)
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