赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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白?女王は赤だけじゃないのか。( 先程聞いたのは赤の女王の名前だけだった。そちらは次期候補は居ないのだろうか、と尋ねようとしたが、“いい子”と言われた赤の女王に対して、“首が飛ぶ”なんて物騒なワードと並べられる人物は継承する事も無いのだろうか、と考え至り、その存在についての疑問だけ投げかける。「下手な事をして首を飛ばされても困るしな。この場所の事を分かっている人間に案内してもらうに越したことはない、か」撫でられる指へ視線を向けながら素直に頷くと、今度は首元に埋められた相手の顔に身じろぐ。柔らかな紺色の髪に指を通すと、チクリと刺すような痛みに僅かに顔を歪めた。「そんなにヤワな男じゃない。心配しなくても」自分の身は自分で守れる程度には鍛えてきたつもりだ。とは言え、見知らぬ土地では何の根拠も無い言葉を投げ掛けながら、その前髪へチュ、とリップ音を立てながら口付けて。「誰でも彼でもってわけじゃないさ。確かに、最初に出会ったってのはデカいが。……そんなに酔ってちゃ、騙すほど頭も回らないだろ」嬉しげに表情を綻ばせる相手を揶揄うように言ってから「俺も、お前が助けてくれる内は信用する」と、意気込む相手の髪を掌で柔らかく撫でてやり。ふいに腰から離された熱を名残惜しく思いながら、開かれた扉の中へ足を踏み入れる。悪くない。いつまで此処で過ごすことになるのかは分からないが、便利だのなんだのと物で溢れる部屋は好きではない。最低限の家具と、何より酒の瓶を見れば「上出来だ」と頷いて。「普段はウォッカやウィスキーを飲む事が多いけど……折角用意してもらったんだ。たまにはこんなのも悪くない」瓶を一つずつ手に取って見定めると、レモンのそれを選び栓を開ける。「そうだ、さっきの付き添いの話だが。手が空いていればお前を呼ぶとして、それ以外の時が問題だ。俺はこの世界の住人を知らない。一先ず、お前が一番信頼している奴の名前を教えてくれ」開いた口に顔を近付けその香りを愉しんでから、瓶を持つ手を机へ下ろして相手に問い )
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