赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
|
通報 |
>ルイ
いいや、僕たちよりも若い子だよ。美人でね、アリス時代からいい子だったんだけど。残念なことに病に侵されちゃったんだ、美人薄命とはよく言ったけど運命は手厳しいねぇ。(腰に回す手は100中の100が下心、どさくさに紛れて堂々と彼に近づける格好のチャンスと思ってのこと。その癖で支えになるのは確かのようで幾分か足取りはしゃんとして、時々ずるりだらりと足先を引き摺りつつも庭園を進む。赤の女王について、その存在を知るのはこの国で生きていくにあたり重要である。それくらいアルコールに漬けられたぐずぐずの頭でも把握しているようで「そう、不思議の国はアリスの中から次の女王陛下を見つけるし、ぐるぐる回るコーカスレースと同じで終わりはないんだ」うんうんと頭を縦に数度揺らして「アリスはね、君と同じで此処じゃない何処かのクニから選ばれて此処に連れてこられるんだ。運命は手厳しいけど、今ここで僕と君が会ったのも運命だもんなあ。運命なら受け入れるしかないから、宜しくやろうね」締め括りにはタコのように尖らせた唇ですっかり馴れ馴れしく頬に口付けをして。うわあ!と反射的に上がる声はくっ付いていた腕が残されるように彼が動きを止めたからで、視線を浴びればえへらえへらと気が抜けるように笑いつつ赤ら顔で照れるなあと前置きを「君を見つけるまでは勤務中、でも今はアリスと一緒だから僕は勤務外。……そう固く考えないで、ここは不思議の国なんだから」暗に今は自由だということを含ませつつ「僕に会いたくなったら城の地下においで、お酒が好きなアリスならいつでも大歓迎だから」中身が少なくなった瓶をラッパ飲み、全て飲み干す頃に城に到着。城内に入ると広がるのは豪華絢爛な景色で、忙しそうなメイドが多数。その内の一人を呼び止めてから空いた瓶を手渡して「アリスの部屋を用意して、あと美味しいお酒もね。」と指示をいくつか。彼へ視線を戻すと「先ずは部屋に案内するよ、女王への挨拶は機会を設けるから落ち着いてからするといいよ」慣れぬ環境に必要なのは落ち着ける空間である、と言うのは勝手な持論か。腰に宛てがう手はそのままにゆっくりと歩みを再開して)
| トピック検索 |