赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>グリフォン
( メイドの笑みを居心地悪く受け止めながらも、事態が危うく傾かなかったことに少し安心する。繋げた手に引かれ案内されながら物珍しさに辺りをきょろきょろと見回せば、自宅や今まで見た場所とは全く違う景色が広がって少しだけ目が回った。あそこは自由、あそこはキッチン、あそこは、あそこは。整然と並ぶ扉の前までたどり着いて道順を反芻する。思い返すことが多く、確かに広くて迷いそうだ。もやもやと考えている内に開かれた扉の一室は殺風景とは言わないまでももの寂しさのようなものを感じる部屋で、一瞬カウンセリング室と重なった。解放された手のひらになんだか不安を覚えるが気のせいだと雑念を払い、部屋に踏み入れる。見回して気づくのは、孤児院で与えられている一室がいかにぎゅうぎゅうかと言うこと。「……広いな」とぽつり。こんな部屋、自分なんかに与えて良いのか?与えているのは誰なんだ?色々と疑問はあるが、ぐっと飲み込んで胸にしまい。ただぼんやりと聞くのは、お金、買い物、公園の出店に、仕事。「仕事?仕事……」最後の単語に顎に手を当てて目を伏せて。「なぁその仕事って、どんなヤツがあるんだ?」気になるのはその一点。お金というよりも、ここで出来ることがどんなことなのかを知りたい。役割があればそうそう害されはしないだろうという打算と、もしかすれば通院を理由に止められていた軍への道がここでなら叶うかも知れないという希望。先程見た兵隊の姿が脳裏に浮かぶ。遠慮がちに腰掛けながら「あとお前はいつまでいるんだ」と、若干すがるように聞いて )
(/こんばんは、またお邪魔してしまってすみません…。またやり取りをさせていただければ嬉しいです)
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